年を重ねるとともに毛穴がだんだん目立ってきた、そんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。毛穴が目立ってしまう原因は、肌のハリや弾力が失われて毛穴が広がってしまっていることにあります。そこで今回は、美容皮膚科専門ドクターがたるみ毛穴の概要や原因、予防法について詳しく解説します。

たるみ毛穴とは

たるみ毛穴とは【画像】

まずはたるみ毛穴とはどういう状態なのかをしっかり把握しましょう。たるみ毛穴とは、肌のたるみによって本来であれば丸いはずの毛穴が縦長に広がってしまっている状態です。このことは、たるみ毛穴が30代以降にあらわれることが多いといわれていることと関係しています。肌のハリや弾力は20代がピークだからです。ピークを過ぎて肌がハリや弾力を失うと、だんだん下にたれてきます。そうすると、たれた肌に引っ張られて毛穴が広がってしまうというわけです。

気になる毛穴がたるみ毛穴かどうかを確認するためには、顔を上に向けてみたり、毛穴のある部分の肌を軽く持ち上げてみたりしてみましょう。そうすることで毛穴が目立たなくなった場合は、たるみ毛穴である可能性が高いです。

たるみ毛穴はそのまま放置すると毛穴同士でつながってしまいます。すると、そこが帯状の溝になり、シワとなってしまうのです。そのため、たるみ毛穴を見つけた場合は放置せず、しっかりとケアすることが大切です。

たるみ毛穴ができる原因

毛穴がたるんでしまう原因はいくつかあります。そのため、それぞれの原因に応じて予防をすることが大切です。ここからは、たるみ毛穴の原因とその予防法について詳しく解説します。

肌のハリ不足

肌のハリ不足【画像】

たるみ毛穴の原因としてまず考えられるのは、肌のハリ不足です。年齢とともに肌のハリや弾力が失われることで肌がたるんでしまい、毛穴も広がってしまうというわけです。

肌の皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層からなっています。このなかで肌の潤いや弾力を保つ働きをしている成分であるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が多く含まれているのは真皮の部分です。肌のハリを保つためには、真皮の栄養分をしっかり補充しなければなりません。

そのための方法はいくつかあります。まずは保湿や乾燥を防ぐため、ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲンが多く含まれている美容液や乳液を使うようにしましょう。真皮のために角質層のバリア機能を保湿で保つことが大切です。

また、コラーゲンの減少を食い止めるためには生活習慣を見直すことも重要なポイントです。紫外線によるダメージは肌の老化につながるので、徹底的に紫外線対策を行いましょう。老化を促進させるといわれている活性酸素を増やさないような食生活を心がけることも必要です。インスタント食品や油物は控え、抗酸化作用があるといわれているビタミンAやビタミンC、ビタミンEを積極的に摂取しましょう。そのほか、質の高い睡眠をとることも肌の質の改善につながります。

表情筋の衰え

表情筋の衰え【画像】

顔には50もの表情筋があるといわれています。表情筋が衰えることも、肌のハリが失われる原因のひとつです。特に、デスクワークでずっとパソコンを見ている人や長時間マスクをつけっぱなしにしている人は表情が乏しくなりがちなため、表情筋も衰えやすくなります。そのような人は表情筋エクササイズを定期的に行いましょう。

表情筋エクササイズとしておすすめなのは「あいうえおエクササイズ」です。まずは口全体を大きく「あ」の形に開きましょう。次に、口を真横にしっかり引き伸ばして「い」の形をつくります。今度は口を前に突き出すようにすぼめて「う」の形にしましょう。次は大きく目を見開いて笑顔をつくり、口を「え」の形にします。最後に口を縦に伸ばし、「お」の形をつくりましょう。まずはそれぞれの表情を3秒程度保持します。ある程度慣れてきたら、保持する時間を10秒程度まで少しずつ延ばしていきましょう。

皮脂の過剰分泌

皮脂の過剰分泌【画像】

肌のハリ不足ではなく、皮脂が過剰分泌していることが原因の場合もあります。皮脂が分泌しすぎると、毛穴に詰まった皮脂が毛穴を押し広げてしまうからです。そのような場合には毛穴に白い角栓が詰まっていることが多いので、よくチェックしましょう。過剰に分泌された皮脂は放置すると酸化して黒ずんでしまうこともあるので要注意です。

皮脂が過剰分泌している場合はしっかりと落とすケアをし、汚れを取り除いた後に角質層まで潤いが届くよう乾燥予防する必要があります。皮脂が気になるという人におすすめの洗顔料はクレイタイプです。他のタイプの洗顔料と比べ、クレイタイプは泥に含まれた成分が皮脂を吸着して落としてくれます。収れん作用のある化粧水でパッティングするのも、皮脂を抑えるのに役立ちます。

重要なポイントは皮脂を抑えるだけでなく、保湿も行うことです。肌が潤いを保っていることでターンオーバーが正常に行われるようになり、そのことが健やかな肌につながります。また、洗顔のしすぎも肌のバリア機能を低下させてしまうので気をつけましょう。

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たるみ毛穴を改善する方法

そもそも毛穴のたるみとは、本来であれば丸いはずの毛穴が何らかの原因によって広がってしまい、目立っている状態です。毛穴がたるんで広がってしまう原因として考えられるのは、加齢などによって肌のハリや弾力が失われていることです。たるみ毛穴を改善するためには、まず肌のハリや弾力を取り戻さなければなりません。

肌のハリや弾力を取り戻すための方法はいくつかあります。今回は、その中から有用成分が配合された化粧品の使用、美容皮膚科での治療、イオン導入美顔器の活用、表情筋エクササイズのやり方についてそれぞれ詳しく解説します。

有効成分が配合された化粧品

有効成分が配合された化粧品【画像】

まずはお肌のケアとして、有用成分が配合された化粧品を使うようにしましょう。気をつけるべきポイントは、毛穴トラブルといってもたるみ毛穴だけではないということです。たるみ毛穴の改善には、毛穴にハリと弾力を与える効果が期待できる成分が配合されたものを使わなければ意味がありません。そのような成分は大きく2つに分けられます。

コラーゲンの生成を促す成分

コラーゲンはタンパク質の一種です。組織や細胞をつなぎ合わせる役目を果たしており、肌においては表皮の内側にある真皮に多く含まれています。真皮は表皮の内側で肌のハリや弾力を保つ役割がありますが、加齢などによって減少してしまうのです。コラーゲンが減少すると肌がたるんでしまったり、シワが増えてしまったりします。

このコラーゲンの生成を促す成分としては、レチノールやビタミンC誘導体、AHAなどがよく知られています。化粧品を選ぶ際には、これらの成分が含まれているかどうかをよくチェックしましょう。

高保湿成分

肌のハリを保つためには潤いが大切です。真皮の60~80%は水分だともいわれています。コラーゲンの生成を促すだけでなく、肌が保湿された状態を保つこともハリを取り戻すために重要なポイントです。

高保湿成分として知られているのはセラミドやヒアルロン酸、スクワランなどです。これらの成分が含まれているかもしっかり確認しておきましょう。

美容皮膚科での治療

美容皮膚科での治療で肌のハリを改善するのもひとつの方法です。品川スキンクリニックでは、たるみ改善のための様々な治療を行っています。

超音波(HIFU)やレーザーによるたるみ治療

超音波(HIFU)やレーザーによるたるみ治療【画像】

HIFU(ハイフ)はHigh Intensity Focused Ultrasoundの略称です。HIFUエネルギーは肌のたるみの原因となる深い層まで超音波を照射することができます。熱エネルギーを肌の奥の組織内に加えることによってコラーゲンの生成を促すのです。

また、品川スキンクリニックではサーマクールCPTという機器を用いたレーザー治療も行っています。サーマクールCPTはアメリカのThermage社が2002年に開発した機器で、表皮にダメージを与えることなく真皮に高周波エネルギーを照射できます。この高周波エネルギーがコラーゲンの生成を活性化させるため、肌のハリや潤い感アップ、たるんだ毛穴ケアにつながるというわけです。

糸リフトによるたるみ治療

糸リフトによるたるみ治療【画像】

品川スキンクリニックでは糸リフトによるたるみ改善治療も行っています。糸リフトとは、時間がたつと溶けて体内に吸収される特殊な糸を皮膚の下に通し、たるみを土台部分から持ち上げる治療法です。肌を本来の状態に近づけることで血行が促進されるので、肌の内側から肌のツヤをアップさせることもできます。

イオン導入美顔器

イオン導入美顔器【画像】

家の中で手軽にお肌のケアをしたいという人は、イオン導入美顔器を活用するのもよいでしょう。イオン導入美顔器は微弱な電流によって肌へ美容成分をより浸透させる機能を持った美顔器です。イオン導入美顔器を使えば、手で化粧水や乳液を塗布するよりもよりよく肌に取り込めるといわれています。

イオン導入がメリットとなるのは、肌が何層もの層によってできているためです。肌のそれぞれの層はプラスイオンやマイナスイオンなど異なった電極を帯びています。そうして肌の表面を流れる電流が不純物やバクテリアの侵入を抑えています。しかし、この電流は同時に美容成分の浸透も防いでしまっているのです。

イオン導入美顔器は微量の電流を流すことで肌をプラスでもマイナスでもない中性に近づけます。そのため、美肌成分がより浸透しやすくなるというわけです。たとえば、ビタミンC誘導入体やプラセンタ、トラネキサム酸などの浸透力が高くなるといわれています。一方、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分は分子が大きく、イオン導入で浸透させることができないので注意が必要です。

表情筋エクササイズ

表情筋エクササイズ【画像】

肌のハリを改善するためには表情筋を鍛えるのも効果的です。顔には左右合わせて合計50個もの筋肉があるといわれています。加齢などによってこれらの筋肉が衰えてしまうことも、肌がたるんでしまう原因のひとつです。ここでは、いくつか代表的なエクササイズを紹介しましょう。

あいうえおエクササイズ

顔全体を大きく動かすことで表情筋に刺激を与えるエクササイズです。まず、口を大きく開けて「あ」と声に出しましょう。次に、口を真横に伸ばして「い」と発音します。口を突き出すようにすぼめたら、「う」と声に出して言いましょう。今度は笑顔をつくり、「え」と発音します。口角がしっかり上がっていることを意識しましょう。最後は鼻の下を伸ばすような感じで口を縦に開き、「お」と声に出します。それぞれの表情は5秒程度キープします。

口輪筋エクササイズ

口輪筋を鍛え、口周りのたるみをケアするエクササイズです。まずは5秒間かけて唇を外側にめくりましょう。そのまま5秒間キープします。次に、今度は同じく5秒間かけて唇を口の中に巻き込みます。その状態で5秒間キープしましょう。最後に、5秒間かけて表情を元に戻しましょう。この流れを合計3回繰り返します。

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たるみ毛穴の予防方法

頬に毛穴が目立ってくる原因は、肌がハリや弾力を失うことで毛穴がたるんでしまうからです。たるみ毛穴ができてしまうと、顔全体が老けた印象になってしまいます。今回は、どうすればたるみ毛穴を予防できるのかを詳しく解説します。前もって適切なケアを行い、ハリと弾力のある肌を保ちましょう。

過度な洗顔はNG

過度な洗顔はNG【画像】

まず気をつけるべきことは、洗顔のし過ぎはよくないということです。顔を洗うときにはゴシゴシこするのではなく優しく洗いましょう。肌の潤いを保つためには、適度な皮脂を残しておく必要があるからです。石鹸や洗顔料を使う際にもよく泡立て、摩擦がなるべく起きないようにしましょう。お湯はぬるま湯がおすすめです。高温のお湯は皮脂を落としてしまう可能性があります。

また、メイクを落とすときにも洗浄力が強すぎるものは避けるようにしましょう。メイク落としに配合されている界面活性剤はメイクと一緒に肌の皮脂も落としてしまうからです。汗と皮脂からなる皮脂膜は乾燥や摩擦、細菌などの外的刺激から皮膚を守っています。皮脂を落としてしまうと皮脂膜がつくられにくくなり、肌のバリア機能が失われてしまいます。

肌を保湿し乾燥を避ける

肌を保湿し乾燥を避ける【画像】

肌が乾燥してしまわないように気をつけることも大切です。肌が乾燥すると毛穴が目立ってしまいます。肌の保湿のために大切なことは、自身の年齢や肌質に会ったスキンケアアイテムを選ぶことです。特に保湿成分が含まれているローションやクリームを使用するようにしましょう。長時間保湿できるアイテムを取り入れるのもひとつの方法です。

紫外線対策

紫外線対策【画像】

毛穴がたるんでしまう原因のひとつとして、紫外線によるダメージが挙げられます。そのため、徹底的に紫外線対策をすることがたるみ毛穴の予防につながります。たとえば、日焼け止めは季節や天気を問わず使うようにしましょう。冬や曇りの日でも紫外線は降り注いでいるからです。

食生活や生活習慣

食生活や生活習慣【画像】

食生活や生活習慣の改善もたるみ毛穴予防につながります。加工食品やインスタント食品のように添加物が多いもの、揚げ物など脂っこいものは活性酸素を増やしがちなため、老化を促進させるといわれています。一方、ビタミンAやビタミンC、ビタミンEは抗酸化作用のある栄養素です。これらが多く含まれたレバーやうなぎ、アーモンドなどを摂取するようにしましょう。肌のハリや弾力の元となるコラーゲンやエラスチンはたんぱく質の一種なので、たんぱく質を積極的にとるのもおすすめです。

また、肌は睡眠中に生まれ変わります。睡眠が不足すると肌のターンオーバーサイクルが乱れてしまい、さまざまな肌のトラブルにつながります。肌のターンオーバーを促すためにも十分な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠をとるように心がけましょう。

たるみ毛穴についてのよくある質問

Q サプリメントでたるみ毛穴が改善することはある?
A たるみ毛穴を改善するためには洗顔やスキンケアといった身体の外側からの対策だけでなく、食生活や睡眠の改善といった身体の内側からの対策も必要です。栄養バランスが乱れがちな人は、サプリメントで必要な栄養素を補充するのもひとつの方法です。ビタミンAやビタミンCを補給したり、体をサポートするミネラル、たんぱく質などのサプリを摂取したりするとよいでしょう。
Q ドラックストアでも買えるおすすめのプチプラアイテムは?
A たるみ毛穴の人におすすめのプチプラアイテムは「ちふれ濃厚美容液30ml」です。コクのあるミルクタイプの美容液となっており、保湿成分として芍薬の根から抽出したエキスとヒアルロン酸が配合されています。保湿力が高く、ハリのある滑らかな肌をキープしたい人におすすめです。詰め替え用もあり、長く使い続けることができます。
Q たるみ毛穴は何歳くらいから目立ちはじめる?
A 一般的に、たるみ毛穴が目立ちはじめるのは30代以降だといわれています。これは、肌に自然とハリや弾力があるピークが20代前半で、それ以降は徐々に落ちていくからです。ただし、紫外線対策をしていない人や生活習慣が乱れている人の場合、早くからでもたるみ毛穴ができはじめることがあります。まだ若い人でも注意が必要です。