「ダイエットが続かない」「リバウンドしない美しいボディラインを手に入れたい」という方は、痩身(そうしん)という選択肢があります。痩身とは無理なく健康的に理想のボディに近付くための方法で、「医療痩身」と「痩身エステ」の2種類があります。この記事では、痩身の方法や医療痩身の方法・効果・費用について解説します。

痩身とは?

痩身とは?【画像】

痩身とは、もともと「痩せた身体」を意味しますが、その方法を指すこともあります。方法としての痩身に似た言葉に、「減量」「ダイエット」などがありますが、それぞれで目的が異なります。

痩身は代謝を良くしたり、脂肪に直接的なアプローチをすることで、健康的にボディラインを整えることを目指します。減量やダイエットは、体重を減らすことが目的となるため、極端な食事制限や過剰な運動を行ってしまう方も少なくありません。身体の負担が大きい減量やダイエットは、不健康に痩せ細ってしまう、リバウンドしやすいといったデメリットがあります。

クリニックで行う痩身の治療は、自分の身体に適した方法で健康的にボディラインを整えることができます。ただし、痩身の治療では体重に大きな変化が見られないケースもあります。痩身は、体重を減らすのではなく、健康的な引き締まった身体を手に入れたい方に向いている治療です。

痩身の方法

痩身の方法【画像】

痩身の方法には、「医療痩身」と「痩身エステ」の2種類があります。医療痩身と医療エステは、治療を行う人・治療内容・費用などが異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

医療痩身

医療痩身は医療機関で行われるため、医師や看護師など医療従事者が担当します。治療内容としては吸引・注射・医療機器の使用などがあり、医療行為に当たるものは、医師でなければ実施することができません。医療痩身は1回あたりの費用は高いものの、効果を実感しやすい傾向です。気になる部分に直接的にアプローチができるため、部分痩せしたい方にも向いています。

痩身エステ

痩身エステはエステサロンなどでエステティシャンがケアを担当します。治療内容はマッサージ・サプリメントの提供・エステ機器の使用など多岐に渡ります。マッサージをしてもらうことで心身のリフレッシュにつながりますが、痩身エステで提供されるサプリメントやエステ機器は薬でないものや医薬部外品に限られるため、医学的な治療は受けられません。

医療痩身の特徴

医療痩身の特徴【画像】

医療痩身の特徴を、治療方法・効果・費用の3つのポイントから解説します。「医療痩身に興味はあるけれど、ダウンタイムが心配」「身体に負担の少ない治療がしたい」という方向けに、切らない医療痩身の治療方法についても紹介します。

医療痩身の施術方法

治療内容としては吸引・注射・医療機器の使用などがあります。脂肪が落ちにくい顔周りは、脂肪吸引を行うことで、フェイスラインを美しく整えることができます。治療後は2~3日程度の鈍痛、1~2週間程度の腫れ・内出血などが発生することがあるため、ダウンタイムの確保が必要です。

痛みやハレが気になる場合は、身体への負担の少ない脂肪溶解注射といった選択肢もあります。気になる部分に注射をすることで、脂肪細胞を分解・排出して、スリムなライン形成をサポートします。

医療機器にはさまざまな種類がありますが、冷却することで脂肪を減少させるクールスカルプティングは、効果と安全性を兼ねる治療として注目されています。クールスカルプティングはメスや注射を使わない治療方法で、あご下・二の腕・太もも・背中・お尻など、気になる部分の脂肪に直接アプローチが可能です。

医療痩身の効果

医療痩身では、医師による診断のもと、ひとりひとりの状態に合わせた治療を行います。医療機関での治療は、脂肪細胞そのものを減少させるため、リバウンドもしにくく効果をすぐに実感しやすい傾向です。また、吸引・注射・医療機器の使用と合わせて、内服薬やサプリを処方してもらうことで、さらに痩身の効果を高めることもできます。処方してもらえる内服薬・サプリには、腸活、ダイエットサポート、食欲抑制、脂肪吸収抑制などの種類があり、医師と相談しながら体質に適したものを選ぶことが可能です。

部分痩せがしやすい点も、医療痩身のメリットです。顔周りや二の腕など、脂肪が落ちにくい部位は、運動だけでは効率的に痩せることができません。これまで食事制限などのダイエットに失敗してきた方も、医師のサポートを受けることで、健康的にボディラインを整えることができるでしょう。

医療痩身にかかる費用

医療痩身にかかる費用は、治療を行うクリニックによって異なりますが、頬の脂肪吸引は10~20万円、脂肪溶解注射(BNLS)は1ccあたり5000~1万円が目安です。品川スキンクリニックではハレや痛みを抑えた脂肪溶解注射エバー・スリム®を採用しており、費用は1ccあたり1,980円となっています。品川スキンクリニックのクールスカルプティング®は1ヶ所あたり29,800円で、気になる部位を複数選んで治療を行うことができます。

痩身エステの特徴

痩身エステの特徴【画像】

痩身エステは、主にエステサロンで行われるダイエット方法のひとつであり、特別な資格は必要ありません。専用のマッサージやサプリメント、痩身マシンなどで、骨盤などの歪みを正し、リンパの流れをよくしていきます。これらの相乗効果によって、身体の代謝を上げて脂肪を落としやすくする体質を目指す狙いがあるのです。

痩身エステの施術方法

痩身エステでは、エステティシャンによるハンドマッサージや骨盤矯正が主に行われています。ハンドマッサージには、動きが鈍くなっているリンパを流して、体内に溜まった老廃物を排出させたり、新陳代謝や脂肪燃焼を促進させたりする効果が期待できます。骨盤矯正は、内臓の位置や姿勢を整えたり、血行を促進させたりすることが狙いです。また、医療機器にはあたらない痩身マシンを使って、リンパの流れや脂肪の燃焼を促す方法もありますし、医薬品ではないサプリメントなども使います。

痩身マシンには、特殊な超音波の作用によって脂肪細胞や皮膚にアプローチするキャビテーションやハイフが一般的に使用されます。キャビテーションとは、液体の中に短時間で圧力差を生じさせ、激しく泡を発生させたり消滅させたりを繰り返す物理現象のことです。脂肪細胞を刺激し、老廃物として体外へ排出させる目的にも採用されています。キャビテーションは全身の脂肪に対して行いますが、特に二の腕やお腹など、脂肪が付きやすく取れにくい部位に効果を発揮するでしょう。

ハイフ(HIFU)も特殊な超音波を使いますが、気になる部位にピンポイントで照射する特徴があり、部分痩せを目指す痩身マシンです。キャビテーションは週に1回ぐらいのペースで受けることが多いです。ハイフは1回で効果を実感する人もいます。1ヶ月に1回ペースなどで継続すると効率が良いでしょう。

痩身エステの効果

痩身エステは、基礎代謝を引き上げて、普通に生活していても脂肪が消費されやすい身体になることを目指しています。痩身エステだけでダイエット効果を得ることは期待できないので、食事制限や有酸素運動もしっかり続けなければなりません。あくまでも、一般的なダイエットを続けることが前提であり、痩身エステはダイエットのための食事管理やトレーニングの効果を向上させる役割があるといえます。つまり、決して楽なダイエット方法ではありません

できるだけ早く、美しい身体を手に入れたいという目的を重視するなら、医療痩身を受ける選択肢もあります。しかし、ダイエットを急がず、時間をかけて取り組むことができるなら、痩身エステを選択するといいでしょう。そのほか、痩身エステによってリラックス効果やむくみ改善の効果が副次的に得られると考えられています。

痩身エステにかかる費用

痩身エステは、一般的に1回あたり2万円~3万円ほどかかるといわれます。決して安いサービスではありません。そこで、お試し体験価格として、1回あたり1000円、500円、無料など、破格の料金で実施しているエステサロンもあります。とはいえ、すでに説明してきましたとおり、痩身エステは1回で効果が出るものではないので、本気でダイエットに挑戦するなら、コースで受けることになるでしょう。体質などに個人差がありますので、どんなコースが自分に適しているか、専門家のカウンセリングを受けてからコースを選択するのがおすすめです。

痩身エステには、全身痩せを目指すコースと脚痩せを目指すコースがありますが、20万円前後が相場といわれます。一括で支払うのが難しい利用者のために、月額払いのコースを用意しているサロンもあります。

痩身についてのよくある質問

Q 医療痩身にデメリットはありますか?
A 医療痩身は医師による治療として行うダイエット方法です。即効性があり、食事制限や運動が必ずしも必要なく、部分痩せもでき、リバウンドしにくいといった数々のメリットがあります。しかし、費用が高額になりやすいのが主なデメリットでしょう。注射や服薬なども伴うため、副作用や事故のリスクがゼロではありません。
Q 痩身エステの効果はどれくらいで実感できますか?
A 個人差はありますが、痩身エステで具体的なダイエット効果を実感するためには、少なくとも3ヶ月以上は通い続けた方がいいでしょう。週1回ペースで通うなら、12回ほど必要です。体質にアプローチするにはそれなりの時間がかかってしまうものですし、その間に有酸素運動や食事制限も継続しなければ、目に見えて痩せていく効果は期待できません。
Q 痩身とはなんて読みますか?
A 痩身という熟語は「そうしん」と読み、やせた体という意味があります。「やせみ」と読むのは一般的ではなく、間違いです。