プラス5歳は老けて見える原因の「ほうれい線」。
メイクで目立たせなくするにも限界があり、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
ほうれい線は、歳を重ねれば仕方ないものと思われがちですが、適切な予防法もあり、医療的なアプローチで解消することも可能です。まずはそのメカニズムを、品川スキンクリニックの美容皮膚科専門ドクターがレクチャーします。
原因を把握し、今すぐできる正しいケアを始めましょう。
ほうれい線とは?
「ほうれい線」とは、鼻両脇から口角外側に現れる線です。あくまで「シワ」とは異なり、頬と口周りの境界線で、鼻唇溝とも呼ばれる線です。
年齢を重ねることで目立ち始め、近年では20代前半でもこの悩みを抱える女性が増えています。放っておくとどんどん深くなっていきますが、早めのケアを行うことによりその改善度も変わってきます。
ほうれい線の原因
ほうれい線が目立つ原因は、大きく5つあります。
- 頬のたるみ
- 肌の乾燥
- マスクによる影響
- メイクによる肌への負担
- 生活習慣の乱れ
原因①頬のたるみ
ほうれい線は、子どもから大人まで誰にでもあるものですが、子どものほうれい線がほとんど気にならないのに対し、年齢を重ねると目立ち始め、老けて見える要因になります。
子どもの肌と大人の肌を比べたときに、まず気づくのはハリの違いです。外からは分かりにくいですが、実は、頬を支える筋力も年齢と共に衰えてきます。ハリ感がなくなり、筋力が衰えると、頬はたるみ、ほうれい線の方向へ垂れ下がります。結果的にほうれい線部分にたるみが寄った状態になり、シワが深くなるというメカニズムなのです。
頬のたるみの原因は加齢だけではありません。うつむきがちな姿勢の人や、寝ているときにいつも同じ方向を下にしている人も要注意です。このような姿勢の人は重力の影響を受けやすく、頬がたるんでいる時間が長いため、シワが固定されてしまいます。
原因②肌の乾燥
人の表情を動かしているのは「表情筋」と総称される筋肉です。筋肉が収縮することによって、目や鼻、口は動き、複雑な表情を作り出します。
筋肉は皮膚によって覆われているため、当然、筋肉と皮膚の動きは連動します。このとき、潤いのある柔軟な肌と、カサカサに乾いた肌とでは、どちらが無理なくスムーズに表情を動かせるでしょうか。潤いのある柔軟な肌をジェル状のシートだとします。曲げたり縮めたり引っ張ったりしても、跡はほとんど残りません。一方で乾燥した肌が紙だとすると、曲げた部分にはくっきりと跡が残り、消すのは困難です。
このように、肌が乾燥していると表情の動きによって収縮した状態がシワとなって刻まれやすくなり、ほうれい線が目立つようになります。「冬は特にほうれい線が目立つ」「冷暖房を付けているとほうれい線が気になる」という人は、肌の乾燥に気を付けるとよいでしょう。
原因③マスクによる影響
普段、笑ったり、会話したりすることで表情筋は動き、自然に鍛えられています。しかし、マスクで口元が隠れることにより、口周りを意識しなくなると、表情筋を動かす機会が減少し、筋肉が衰えて肌がたるみやすくなります。また、マスクの刺激で肌が乾燥することも、ほうれい線の原因になると考えられます。
原因④メイクによる肌への負担
「ほうれい線を隠したくて、ついついファンデーションを厚く塗ってしまう」という人もいるかもしれません。しかし、平らな肌と違い、ほうれい線は溝になっています。均等にファンデーションを塗ることが難しく、ムラになってしまいがち。かえってほうれい線を目立たせてしまう可能性もあるのです。
また、メイクの落とし方にも注意が必要です。クレンジング力が強すぎる洗顔料を使ったり、ゴシゴシとこすりすぎたりすると、必要な皮脂まで奪うことになり、肌の乾燥を進める要因になります。肌の乾燥はほうれい線の大敵。メイクとクレンジングはセットで行うものなので、紫外線対策などポイントをしぼったシンプルなメイクをし、落としやすさにも気を配りたいものです。ほうれい線対策のためにメイクを重ねすぎると、洗顔時に肌に負担をかけてしまい、本末転倒になってしまいます。
原因⑤生活習慣の乱れ
不規則な食生活や過度なダイエット、睡眠不足などの生活習慣の乱れは肌に悪影響を及ぼし、ほうれい線が目立つ原因となってしまいます。ついつい甘いものや揚げ物ばかり食べてしまったり、理想の体型をつくるために無理なダイエットをしたりしがちですが、ほうれい線を改善するには規則正しい生活を心がけることが大切です。また、喫煙や大量の飲酒も、ほうれい線を目立たせる原因となります。ほうれい線のほかにも、シミや肌荒れを引き起こす原因になりかねないため、過度な飲酒や喫煙に心当たりがある方は習慣を見直したほうがよいでしょう。
ほうれい線のお悩み
30代から50代女性による肌悩みアンケートでは、たるみによる「ほうれい線」が一位!
ほうれい線は毛穴や化粧ノリとは異なり、老けた印象を与えやすく、多くの女性が悩みの種に。ほうれい線の溝は一度刻まれると、自己ケアでは目立たなくするのは難しく、できてしまってから慌てて予防を行っても満足のいく効果は得られません。
肌のたるみが生じる前から予防を行うのが理想的ですが、できてしまったほうれい線を取り除くには病院に相談するのがもっとも安心で確実と言えます。
ほうれい線のセルフケア
ほうれい線ケアは若い頃からやっておきたいエイジングケアのひとつ。日頃のスキンケアで役立つポイントをご紹介します。
ほうれい線のセルフケア①紫外線対策
肌の老化の原因は加齢によるものだけではありません。紫外線による「光老化」によっても肌はダメージを受け、ほうれい線の原因となる「たるみ」や「乾燥」を加速させてしまいます。紫外線対策は年齢に関わらず、1年を通して行いたいものです。特に日焼け止めは日差しの強い春や夏に限らず1年中塗りましょう。いつも炎天下のような対策を行う必要はありませんが、曇りの日でも紫外線は降り注いでいることを忘れずに。紫外線対策が注目されるにつれ、保湿力のある日焼け止めなど、日常使いに適したUVケアアイテムが発売されています。日焼け止めにプラスして、「日差しの強い時間帯を避けて外出する」「帽子をかぶる」などの工夫をすると、なおよいでしょう。
ほうれい線のセルフケア②食事
自分でも手軽にできるセルフケアの一つが食事です。肌や筋肉はたんぱく質がもとになっており、食事から摂取して肌を健康に保つことで、ほうれい線のケアにつながります。人の体の15~20%はたんぱく質でできているといわれており、たんぱく質の合成と分解を繰り返しながら臓器は新しく生まれ変わっていきます。髪が伸びて抜け、生え変わるように、肌や筋肉も日々新たに作り替えられているのです。ただし、たんぱく質は一度にたくさんの量を摂取しても、すべてが合成に使われるわけではありません。こまめな補給が大切になるため、1日3食食べることを心がけ、分散させて摂取するとよいでしょう。
たんぱく質以外で意識的に摂取したい栄養素は、ビタミンA・C・E、ポリフェノール、カロテンなどです。これらの栄養素は色の濃い野菜に多く含まれており、老化予防や美肌効果につながる抗酸化作用を期待できます。そのほか、かみ応えのある食材を食べて表情筋を鍛えたり、食事の際の飲みものを漢方茶に変えたりするのもおすすめです。普段の食事の食材や飲みものに気を配り、有効成分をバランスよく吸収するよう心がけましょう。
ほうれい線のセルフケア③保湿
肌の表面にある「角質層」には水分を保持する成分が存在し、正常な肌には10~30%の水分が蓄えられています。この水分量を下回らせないために日常の保湿対策が重要です。化粧水や美容液は、ヒアルロン酸やセラミドなど保湿力の高い成分を含むタイプを選ぶとよいでしょう。角質層にある水分を保持し、水分の蒸発を防いでくれます。保湿成分が高配合された部分用クリームを使ったり、重ね塗りをしたりして、重点的なケアをすることも大切です。化粧水や美容液で角質層を潤すと、バリア機能が正常に働いて肌全体が潤った状態になり、角質層より奥の部分も乾燥から守ってくれます。
ほうれい線を目立たせなくする方法
顔の筋肉を鍛える
ほうれい線を目立たなくするには、顔の土台である筋肉を鍛え、肌がたるんでいない状態をキープしなければなりません。筋肉が肌をピンと引っ張ってくれている状態になればシワが伸びてほうれい線は目立たなくなります。表情筋は30種類以上ありますが、その多くが口を囲む「口輪筋」に関係しているため、口輪筋を鍛えることでシワの改善が期待できます。ほうれい線が伸びていることを意識しながら、口を「ほ」の形に締め、舌を奥に引き込んでみましょう。口笛を吹く、唇を口の中に丸め込んで口角を上げ、笑うなども筋肉を使う動作です。朝のスキンケアのときに鏡を見ながら行えば、日常的に口輪筋を鍛えることができます。
メイクを工夫する
ほうれい線は、乾燥した肌にファンデーションを厚く塗ると悪目立ちしてしまいます。メイク前にはほうれい線部分の保湿を重点的に行い、潤った状態でメイクをするとよいでしょう。また、ファンデーションを薄塗りしたり、フェイスパウダーや日焼け止めで代用したりすることで、滑らかな肌に仕上げることができます。
マッサージをする
マッサージをすると筋肉がほぐれ、血行をよくできます。食事と同様に手軽に取り組めるため、仕事の休憩中やお風呂上りなどのちょっとした隙間時間にぜひ試してみてください。おすすめなのは、側頭筋をほぐすマッサージと、口周りの筋肉をほぐすマッサージです。側頭筋はこめかみと耳の上あたりに広がる筋肉で、筋肉や皮膚を引き上げる役割があります。ここが硬くなってしまうと顔全体のたるみの原因になってしまうので、ほうれい線対策としてほぐしておきましょう。
- 側頭筋マッサージ:こめかみと耳の上あたりに親指以外の指を当て、小さな円を描くようにして軽く力を入れていきます。少しずつ指を移動させ、側頭筋全体をほぐしていくのがポイントです。
- 口周りの筋肉をほぐすマッサージ:中指と薬指を使って、小鼻の横あたりから頬骨に沿って筋肉をほぐしていきます。力を入れすぎないように、軽く押し上げながらほぐすのがポイントです。また、口周りの筋肉を使うよう意識しながらゆっくりと舌を回すと、口輪筋のトレーニングになります。
肌をこする力が強すぎると摩擦が刺激になり、肌の乾燥やシミを招きます。逆効果になる恐れがあるので、滑りの良いオイルやクリームを使って刺激を和らげ、肌をこすらずに軽い力で圧力をかけるよう心がけましょう。この際、力が入りがちな親指ではなく、力が入りにくい中指や薬指を使うのがポイントです。また、化粧落としと同時にマッサージをすると、クレンジング剤の肌への負担が長引いてしまいます。負担をできる限り減らすため、化粧落としとマッサージは別々におこないましょう。
ほうれい線の改善方法
たるみがほうれい線を引き起こす一因であるため、たるみの改善を意識すると効果的です。クリニックの治療においてはヒアルロン酸やボツリヌストキシン注入などのプチ整形をはじめ、手軽に効果が得られる治療も充実しています。
当院では、施術前に必ず無料カウンセリングを行い、お悩みを解決するための治療内容をドクターがご提案いたします。ご来院前に施術メニューを確定させる必要はございません。また、ご納得いただいたうえで治療を行うため、無理な勧誘は行いませんのでご安心ください。
ほうれい線改善に適した治療一覧
注入による治療
機器による治療
糸による治療
【年代別】おすすめのほうれい線改善方法
ほうれい線が目立つようになる原因は、年齢や生活習慣などによって一人一人異なります。特に加齢による肌の衰えは大きな要因です。ここでは、年代別にほうれい線の原因と改善方法について説明します。
10代のほうれい線の特徴と改善方法
肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンの生成力は18歳ごろがピークだといわれます。10代の弾力ある肌は、ほうれい線とは無縁だと思われがちですが、紫外線、肌の乾燥、無理なダイエットなどによってほうれい線が目立つようになることがあります。体育の授業や部活時も紫外線ケアをしてダメージの蓄積を防ぎ、日々の保湿ケアも欠かさないようにしましょう。また、スマホの長時間視聴が習慣化している人は、血流悪化によるシワやたるみにも注意が必要です。
20代のほうれい線の特徴と改善方法
加齢によって肌のハリに衰えが見えるようになるのは25~28歳頃です。加齢による影響が少し感じられるようになりますが、ほうれい線が目立つ要因は他にあることが多いでしょう。例えば、職場の冷暖房による肌の乾燥や、座り仕事による血流悪化もほうれい線の要因となります。頬杖をつくなど、ほうれい線周辺の肌を刺激する悪い姿勢の癖も問題です。保湿力成分の高い化粧品を使うほか、保湿の回数を増やしたり、同じ姿勢を続けずに意識的に動いたりする工夫が求められます。
30代のほうれい線の特徴と改善方法
30代になると、真皮に含まれるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の減少が始まります。皮膚の土台となる真皮にハリがなくなると、シワやたるみが目立つようになるため対策が必要です。コラーゲンやエラスチンの生成を促す成分の美容液やクリームをセルフケアに取り入れたり、ヒアルロン酸を注入して持ち上げたりする方法があります。
40代のほうれい線の特徴と改善方法
40代になると30代までの要因に加えて、皮膚の下にある筋肉の衰えが顕著になり、皮膚がたるんでほうれい線が目立つようになります。肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンを増やしたり、保水力を高めるヒアルロン酸やセラミドを補充したりするほかに、口元を鍛える筋トレを取り入れるとよいでしょう。
50代のほうれい線の特徴と改善方法
50代になると肌の機能低下や肌ダメージの蓄積、表情筋の衰えによってほうれい線が目立つようになります。また、閉経後は骨密度が減少して頭蓋骨が小さくなるため、皮膚が余ってたるむこともあります。肌のハリを保つ成分の生成を促進し、マッサージや筋トレ、紫外線・乾燥対策など、40代までに行っていたケアを継続することが大切です。
よくある質問 Q&A
- Q どのメニューが適しているか分かりません。当日相談しても良いですか?
- A 当院では、ほうれい線治療のメニューを多数取り揃えております。患者様のご要望を伺って、最適な治療をご提案するカウンセリングも無料で行っております。カウンセリングでは、費用やリスクなど、それぞれのメニューについて詳しくご案内いたします。ご相談だけでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。
- Q ほうれい線治療の副作用はありませんか?
-
A
ほうれい線治療のメニューは10分程度で終わるヒアルロン酸注入から、メスを使わない糸によるリフトアップなどさまざまです。たとえば、気軽にできるプチ整形として人気のヒアルロン酸注入では、副作用のリスクとして内出血が2日~3日出ることもあります。
張りによる内出血があらわれる場合もありますが、ヒアルロン酸はもともと体内に存在する物質なので副作用はほとんどありません。
治療前には必ずリスクと副作用についてもご案内しておりますので、不安に感じていることは、どんなことでもご相談ください。 - Q 年齢によって効果に違いはありますか?
-
A
ほうれい線ができる原因の1つに、「お肌のたるみ」があげられますが、年齢だけでなく食生活や日々のスキンケアなどの生活環境や骨格も様々なので、効果には個人差があります。
当院では、治療メニューごとに症例写真をご用意しておりますので、担当のドクターから患者様に最適なプランをご提案いたします。 - Q ほうれい線は消えますか?
- A ほうれい線は表情ジワではなく、皮膚の構造が変化してできるものなので、完全になくしてしまうことは難しいです。紫外線や乾燥対策、生活習慣の改善などを行うことでシワやたるみを予防することが、ほうれい線を目立たなくすることに繋がります。また美容医療でもほうれい線を薄くする効果が期待できます。
- Q ほうれい線を消すにはどうしたらいいですか?
- A ほうれい線を完全に消すことはできませんが、日常的なスキンケアにシワやたるみ対策を取り入れることで、ほうれい線が深くならないようにケアすることはできます。ほうれい線が深く刻まれてしまってセルフケアでの改善が難しい場合や、短期間で改善したい場合は、ヒアルロン酸の注入などをクリニックで行う方法もあります。
- Q ほうれい線は何歳から気になりますか?
- A 肌の衰えによってほうれい線が目立つようになるのは30代以降ですが、紫外線や乾燥、無理なダイエットなどによる肌のたるみは10代でも起こり得ます。特に紫外線は若いころからのダメージが蓄積されて、ほうれい線の原因になるため、できるだけ早い時期からのケアが大切です。
- Q 男性ですが、ほうれい線の治療はできますか?
- A 男性のほうれい線治療も可能です。ほうれい線が目立つようになる原因は男女問わず同じなので、治療と併せて「洗顔のときに力を入れすぎないようにする」「紫外線対策を行う」「規則正しい生活を送る」といった行動にも気を付けるとよいでしょう。