目元は顔の印象を大きく左右します。「目が小さくなった」「目元が疲れて見える」と感じている方は、まぶたのたるみが原因かもしれません。この記事では、まぶたのたるみで考えられる症状とたるみの原因について解説します。

まぶたのたるみとは

まぶたのたるみとは【画像】

まぶたのたるみは、年齢を重ねることで目の周りの筋肉が弱くなり、皮膚を支えられなくなることで起こります。上まぶたの目尻の方向に症状が出やすく、目元が三角形に見えるのが特徴です。まぶたがたるむことで、二重の幅が小さくなったり、目尻のシワが目立ったりすることもあり、実年齢以上に老けて見えやすくなります。

年齢が若くても、脂肪が原因でまぶたがたるんでしまうケースもあります。脂肪が原因のたるみは、日々のお手入れやダイエットで改善する可能性がありますが、まぶたは触るほどたるみがひどくなるため、目元を強い力でマッサージするのは避けましょう。加齢が原因でまぶたがたるんでいる方で、目元の印象を変えたい場合は、目の筋肉を使ったストレッチを行う、美容クリニックで余分な皮膚や脂肪を除去する方法といった方法があります。

まぶたのたるみで考えられる症状

まぶたのたるみで考えられる症状【画像】

まぶたがたるむことで、皮膚が目に覆いかぶさるようになり、視界が狭くなる場合があります。視界が狭くなることで、これまでと見え方が変わり、目の疲れに悩まされている方も少なくありません。慢性的な目の疲れは、頭痛や肩こりにもつながります。

基本的に、まぶたのたるみは加齢と共に誰にでも起こりますが、「視野が極端に狭い」「疲れやすい」「頭痛・肩こりが治らない」など症状が重い場合は、眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)という病気の可能性も考えられます。眼瞼下垂症の治療は症状によって異なりますが、まぶたの皮膚を切開して腱膜を瞼板(けんばん)に固定する方法などがあります。

まぶたがたるんで視野が狭くなると、視界を確保するために、眉を常に吊り上げることになります。眉を常に吊り上げていると、目の周りから頭部にかけてずっと筋肉が緊張している状態が続き、身体にとっても大きな負担となります。

まぶたのたるみの原因

まぶたがたるむ原因としては、「皮膚のたるみ」「筋肉の緩み」「その他」の3つが挙げられます。皮膚のたるみと筋肉の緩みは、主に加齢によって引き起こされます。その他としては、たるみの原因となる生活習慣について解説します。

皮膚のたるみ

皮膚のたるみ【画像】

皮膚のたるみは、加齢によってコラーゲンやエラスチンの生成が衰えることで引き起こされます。コラーゲンやエラスチンは、肌にハリや潤いを与える重要な役割を持ちますが、年を重ねると自然と減少していきます。また、まぶたの皮膚は薄いため、洗顔やメイクなどで目元に強い刺激を与えていると、目の周りの皮膚がたるみやすくなります。

目を人工的に二重にするためのアイプチをしている方も、皮膚がたるみやすい傾向です。アイプチはまぶたをのりやテープでくっつけて二重にするため、皮膚が伸びやすく、加齢と共にたるみが生じやすくなります。

筋肉の緩み

筋肉の緩み【画像】

目の周りには、眼輪筋(がんりんきん)と呼ばれる筋肉があります。眼輪筋を鍛えるトレーニングをすることで、目元のシワやたるみの改善が期待できますが、加齢によって徐々に衰えていきます。眼輪筋が衰えると、まぶたを持ち上げる力が弱くなり、皮膚がたるむことで視野が狭くなります。

また、眼輪筋よりさらに奥には眼窩脂肪(がんかしぼう)がありますが、目元周りの筋肉が衰えることで、前方にはみ出しやすくなり、たるみとして目立つようになります。一度衰えた眼輪筋を戻すことは簡単ではないため、筋肉の緩みが原因のたるみを防ぐためには、今ある筋肉をできるだけ維持できるよう、日ごろから眼輪筋を鍛えるトレーニングを行うことが大切です。

その他

その他【画像】

たるみの原因は、加齢による皮膚のたるみや筋肉の緩みだけではありません。その他に含まれる「生活習慣」を意識することも重要です。たるみの原因となる生活習慣としては、「スマートフォン依存」「紫外線・乾燥対策」「飲酒・喫煙」などが挙げられます。

スマートフォンやパソコンを使いすぎている方は、たるみのリスクがあがります。スマートフォンやパソコンが目に与える影響といえば、ブルーライトを思い浮かべることが多いかもしれませんが、実は「まばたきの少なさ」にも注意しなければなりません。ディスプレイに集中しているときは、どうしてもまばたきの回数が少なくなり、筋肉が衰える原因のひとつになります。

紫外線・乾燥対策は、まぶたに限らず、肌全体のたるみ予防に効果的です。日焼け止めや化粧水をまぶたまでしっかりと塗り込むことで、潤いとハリのある肌をキープしやすくなります。

過度な飲酒は膵臓や肝臓にダメージを与え、肌から水分が奪われる原因にもなるので控えましょう。喫煙でビタミンCの不足と血流悪化が起こると、肌のくすみやたるみを引き起こします。規則正しい食生活を心がけて、日ごろからまぶたを含めたスキンケアを行うことは、まぶたのたるみ予防につながります。加齢によるたるみはホームケアでは改善が難しいこともあるため、美容クリニックでの治療も選択肢に加えてみるといいかもしれません。

まぶたのたるみを取る治療法

まぶたのたるみは、美容に気を配る人々にとって悩みどころです。人の第一印象で重要なもののひとつに目があります。しっかりと見開いて、黒目の輝きや視線が相手に見えていると、元気さや若々しさを感じさせるので、第一印象がよくなりやすいです。しかし、まぶたがたるんでいると、目を見開きにくくなり、黒目が見えづらく、相手に視線を感じさせません。しかも、実年齢よりも老けて見られやすくなり、感情も伝わりづらくなるため、一種の怖さも感じさせるかもしれません。疲れていないのに疲れて見えるのは、人付き合いでも損をしやすいです。更に、まぶたがたるんでいる人は視界を広げるため、無意識のうちにおでこの筋肉を使ってまぶたを引き上げようとします。すると、おでこにシワが寄りやすくなってしまうので、その点でも美容にはよくありません。

まぶたのたるみが生じてしまう主な原因が加齢です。肌のハリを作り出しているコラーゲンやエラスチンなどの成分が、歳を取るごとにその生成機能が衰えることで、減少しやすくなるからです。肌のハリが失われると、まぶたがたるみやすくなってしまいます。また、目の周りにある眼輪筋が加齢で衰えると、まぶたが垂れ下がってしまうので、やはりたるみを生じさせる原因となるのです。

まぶたのたるみは、生活習慣の影響で生じることもあります。洗顔やアイメイク、個人的なクセなどで、目の周りを摩擦することが多いと、その刺激で眼輪筋がダメージを受け、まぶたをたるませる原因になってしまうのです。また、喫煙の習慣やテレビ・スマホの見過ぎなどで血流が悪くなれば、やはりまぶたがたるみやすくなります。以上のような事情があり、まぶたのたるみを取るための治療法について知りたい人も少なくないことでしょう。

ここでは、まぶたの周囲にある皮膚の切除と、脂肪の除去という2種類の治療法をご紹介します。

皮膚の切除

皮膚の切除【画像】

まぶたのたるみを皮膚の切除によって改善させる治療法には、主に「上眼瞼皮膚切除」と「眉毛下皮膚切除」「眉毛上皮膚切除」の3種類が挙げられます。上眼瞼皮膚切除は、たるんだ皮膚とそのすぐ下にある眼輪筋をまぶたの上部分から直接的に切除して縫い合わせる方法です。上眼瞼皮膚切除は、傷跡が目立ちにくいというメリットがあります。目の二重ができている線の奧に、傷跡をまぎれこませることができるためです。もし、二重まぶたができにくい場合には、まぶたのたるみを改善させるのと並行して、目の二重を固定することも可能ですから、美容の面でもより有効といえるでしょう。

眉毛下皮膚切除や眉毛上皮膚切除は、眉の下や上部分から、まぶたの周りにできた余分な皮膚を切って取り除くことによって、たるみを改善する方法です。縫合を細かく行うことで傷跡を目立たなくすることができますし、並行してシワ治療をしたり二重まぶたを作ったりすることも可能です。なお、一重まぶたのままでもたるみは治療できます。いずれの方法でも、内出血や腫れなどの副作用が出てくる場合がありますから、前もって医師から説明を受けるようにしてください。

脂肪の除去

脂肪の除去【画像】

まぶたのたるみは、まぶたの奧にある脂肪を直接取り除く「上眼瞼脱脂法」で改善できる場合もあります。特にまぶたの脂肪が分厚く付いて、目元が重たい印象になっていたり、視界が悪くなったりしている方は、この治療が最も効果的です。まぶたに目立たない小さな穴を開け、そこから脂肪を取り除くことによって、目元の印象をスッキリ整えることができるのです。すでに紹介したまぶたの皮膚の除去と併用して、効果を高めることもできます。

しかし、顔の皮下脂肪は加齢とともに減っていくのが一般的ですから、もし若い頃に脂肪除去をすると、やがて目がくぼんで不自然な容貌になってしまうおそれがあります。その点が気になる場合は、前もって医師に相談しましょう。

まぶたのたるみについてのよくある質問

Q まぶたのたるみを改善するストレッチは効果がありますか?
A ストレッチはまぶたのたるみを予防する効果は期待できます。目の周囲にある眼輪筋という筋肉の衰えが原因であることが多いからです。眉を上下させる運動をすることで、この眼輪筋を鍛えてまぶたのたるみを予防できる可能性はあります。しかし、一度たるんでしまった皮膚は元には戻せないので、改善となると効果は見込めない為、治療を考えてみても良いかもしれません。
Q まぶたがたるむ病気はありますか?
A 病気が原因でまぶたがたるむこともあります。たとえばまぶたを持ち上げる挙筋腱膜が伸びきってしまい、まぶたを自由に動かせなくなる「眼瞼下垂症」です。眼瞼下垂の症状は多くの場合、加齢によって生じるようになります。しかし、先天性の眼瞼下垂症や、重症筋無力症のような難病が潜んでいることもありえますので注意しましょう。
Q まぶたのたるみは何歳ごろから目立ち始めますか?
A まぶたのたるみが目立ち始める年齢には個人差がありますが、気をつけた方がいいのは30代後半から40代にかけての頃だといわれています。まぶたのたるみの主な原因は加齢です。歳を取るにつれて皮膚のコラーゲンが減少してハリがなくなり、目の筋肉が衰えていきますが、そうした変化は30代後半から40代頃にかけて目立ち始めます。